きんは100才、ぎんも100才。
というフレーズでお茶の間のアイドルとなった
100才の双子、きんさん、ぎんさん。
登場したのは、30年前のこと。
きんさんぎんさんのように100才まで生きることは日本人の憧れであった。
しかし、昨今は、医療の進化によって、
百寿者やセンテナリアンと呼ばれる100才以上の長寿が増えている。
’98年は1万人を超え、
2019年は7万1278人と発表された。
そのうち、6万2275が女性だとという。
この若返りの背景には、やはり医療の進化、
アンチエイジングの強化、更には老化を治療するキュアエイジングというものがあるという。
そもそも若返りとは?
若返りとは、
加齢に伴う全身の臓器の低下のスピードがゆっくりとなって、
命を落とすまでに至る時間が長くなること、つまり”寿命が長くなる”ことを指します。
人間は
卵子と精子が受精した瞬間から、一生同じ遺伝子を持ちます。
遺伝子は主にタンパク質を作っているが、その作業の過程で、紫外線や活性酸素によって絶えず傷がついて劣化していく宿命なのである。
アンチエイジングとは、
本質的には、遺伝子が傷つくのを防ぐことなのです。
現時点で有効とされている高度な若返り医療技術というは、
遺伝子を操作する「ゲノム編集」、iPS細胞を始めとした再生医療である。
長寿細胞テロメアは、貴重な命の回数券
’17年のクローズアップ現代で特集がされたことがきっかけで注目を浴びている
「テロメア」を聞いたことがある人はいるだろう。
細胞の中には「核」と呼ばれる部屋があり、核の中に染色体があります。
テロメアは染色体の末端部分のことで、
染色体がほつれたり、互いにくっついたりするのを防ぐ”キャップ”のような役割を果たしています。
テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、
ある一定の長さに達すると細胞分裂が不可能な「細胞老化」という状態になってしまう。
そのため、テロメアは命の回数券とも呼ばれ、
テロメアを伸ばすことが老化防止につながるとされている。
米カリフォルニア大学のエリザベス・ブラックバーン博士は、テロメアとテロメラーゼ酵素の仕組みを発見し、
09年にノーベル生理学医学賞を受賞しました。(ご本人のTEDの動画は下部にあります)
テロメラーゼはテロメアが短くなるのを遅らせるだけではなく、
短くなったテロメアを伸ばす作用もあるとわかっており、世界中の専門家たちが研究を行っている。
研究から見えてきたことは、
日常生活の中でテロメラーゼを増やし、テロメアを伸ばすことが可能であるということだ。
ブラックバーン博士によると、
食事や睡眠、有酸素運動、更にはマインドフルネス(瞑想)がテロメアを伸ばすことに効果的だと言っております。
逆に老化を加速する要因としては、
無駄な日光浴による紫外線を浴びること、喫煙だという。
タバコの煙に含まれる化学物質によって喉や気管支、肺表面などの細胞が壊れると、
健康なほかの細胞のテロメアの短小化が促進される。
出典「細胞から若返る!テロメア・エフェクト 長寿のための最強プログラム」(NHK出版)より
直近では、
エクソソームによる医療が最も効果的だとも言われているが、
こちらは安心して利用できるに至ってはいない。
最後に
忘れてならないのは、
食事、睡眠、運動という昔から変わらない生活習慣がいつの時代も基本にあるということ。
それを踏まえた上で、若返りが実現する日を待望みたいものである。
こちらは、米カリフォルニア大学のエリザベス・ブラックバーン博士のTED動画。
「決して年を取らない細胞についての科学」